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小谷真三さんへ作品返却
2009年 09月 07日 |
皆様、こんにちは。
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このブログをいつもご覧の方や、熱心なファンの皆さんには冒頭の写真が何処かお分かりになるのではないでしょうか。

8月16日に閉幕した鳥取民藝美術館の特別展

「倉敷ガラス 小谷真三自選展」

は、まだ記憶に新しいところですが、去る9月2日、美術館スタッフと同展の企画・構成を手がけた久野恵一さんは、作品返却のため5ヶ月ぶりに倉敷の小谷真三さんの工房を尋ねたのです。

笑顔で迎えてくださった小谷さん、奥様、愛犬ウイスキー。
そして今回は息子さんで同じくガラス工芸家の小谷栄次さんもいらっしゃいました。

まずは小谷さんに改めて特別展の成功と無事に閉幕できたことをお伝えし、感謝の意を込めて全作品の写真リストと開催記録をお渡しします。

「うわあー、ありがとうありがとう」

と仰る小谷さん。こちらこそお礼を言わなければならないのですが、とても喜んでいらっしゃる様子にこちらもジーンと嬉しくなってしまいました。
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さあ、小谷さんとともに作品を開封して、一点一点確認していきます。
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「44番異常なし!」

開封されて次々姿を現すガラスたちに、生みの親の小谷さんご自身もワクワクなさっています。

「我ながらいい出来だなあ」

「これは、吹くとき、重くてなあ」

作品ひとつひとつにストーリーがあります。
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この初期のガラスコップなどはその最たるもので、倉敷ガラスの出発点とも言えるものです。
美しく洗練された作品ではもちろんないのですが、特別展でも、ヒビだらけのこのコップをご覧になって感激する方が多くいらっしゃいました。

確認作業も終盤に近づき、細々したものの確認に入ります。
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「これは、ぼくの宝物だ」
と仰るのは、1985年から1993年まで、約10年間作りためていらしたガラス玉を繋げたもの。
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「昔のヨーロッパのガラスのような古いものに憧れて、あんなものが作りたいと一心に吹いていたら、その思いをガラスが酌んでくれる。」

小谷さんの作品のもつどこかノスタルジックな魅力にはこんな秘密があったのですね。
吸い込まれそうに美しいガラス玉です。

確認作業が終了し、小谷さん作のガラスコップに注がれた冷たい飲み物をいただけるという嬉しい一幕もありました。(感激しているばかりで写真を撮り忘れてしまいました…)


これまで幾度となく各地で展覧会をなさってきた小谷さんですが、小谷真三さんご自身の所蔵品だけで展覧会を開くという企画は、かつて無いものでした。
このたびそれが大成功に終わり、小谷さんにも本当に喜んでいただけて、幸せな倉敷再訪となりました。

帰路に着くとき、私たちの乗った車が見えなくなるまで手を振ってくださった小谷さんの姿が目に焼きついています。


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帰り道、車窓から見える空がもう秋でした。

倉敷ガラスが彩ってくれた今年の夏が過ぎていきます…


小谷真三さん、久野恵一さん、今回お世話になったすべての皆さん、ありがとうございました。




奥様の直子さんが昨年までたくみ工芸店のスタッフだったこともあり、
今回の作品返却は倉敷段通の瀧山雄一夫妻にも手伝っていただきました。

久野さんが主催する「手仕事フォーラム」の会員でもある直子さんが、フォーラムのメンバーブログでこのときの様子を更新なさっているので、こちらもぜひご覧ください。

手仕事フォーラムブログ




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鳥取たくみ工芸店/鳥取民藝美術館
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