まだまだ寒い日が続きますね。

こんな時期はやはりお客様も少なくなってしまう鳥取民藝美術館なのですが、
実は、冬こそがこの美術館の本領が発揮される時期かもしれない…と、思うことがあります。
山陰の冬特有の湿った空気、
どんより鉛色の空、
街路樹も裸になって一見侘しい季節ですが、
良くも悪くも、鳥取という土地が最も鳥取らしい姿をさらけ出す季節です。
そんな季節にこそ、身を縮こまらせて鳥取民藝美術館の階段をあがり、入り口のガラス戸を開けてみていただきたいと思います。
鳥取民藝美術館には、人気の一角があります。
それは、上階展示室に設けられたテーブルセッティングのコーナーです。

当館創設者・吉田璋也がイギリスのウィンザーチェアを日本人用にアレンジしてデザインし、鳥取の木工職人たちが作った、それぞれ形の違う6脚の椅子が二箇所に設置してあります。

これらは、鳥取民藝美術館の重要な展示品であると同時に、自由に掛けて休んでいただける憩いの椅子なのです。
お一人で見えたお客様が上階展示室へいらしたまま小一時間ほど音もなくご自分の時間を過ごされていたり…
数人のお友達でいらした皆さんがテーブルを囲んでおしゃべりをなさっていたり…(もちろん美術館なので音量は控えめにおねがいします)
思い思いの時間を過ごされます。
テーブルの上には来館なさった皆様が自由に感想を書いていただけるように
「おもい」ノートが置いてあります。

「できることならこの空間で一杯のコーヒーが飲みたい…」
と、過去に残されたお客様がいらっしゃいましたが、
そのお気持ちがとてもよくわかります。
因州和紙を張った障子越しに射す冬の光を眺めながら、滑らかな木の椅子に腰掛け、美しい民芸品に囲まれる豊かな空間。
鳥取民藝美術館の自慢のひとつです。
残念ながら、コーヒーをお出しすることはできませんが…
(たくみ割烹店ではいただけます)
静かな冬の美術館、凍える季節が行ってしまう前に、ご自分だけの時間を探しにいらっしゃいませんか。

※本日のふきのとう三兄弟。わずかにほころび始めています。
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鳥取たくみ工藝店/鳥取民藝美術館
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