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倉敷遠征編・小谷真三さんの工房を訪ねる(最終回)
2009年 05月 09日 |
倉敷遠征編(2)より続きます。

作業に戻った一同、続々と箱から取り出される倉敷ガラスの美しさに魅了されっぱなしです。
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これは、青の中皿を光にかざしたようす。

吸い込まれそうな世界です。

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どんどん箱から起きだして、整列していく倉敷ガラス。


大きい作品も迫力ですが、小さな香水瓶が並んだ様子には思わず顔がほころんでしまう一同。

「うわあー、かわいいなあー!」

男性陣からも感嘆の声があがります。
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こうして作者の小谷真三さんご本人に一点一点見ていただきながら、
作品の、いわば「プロフィール」を作成するのです。

特に初期の作品をご覧になるときの小谷さんはとても感慨深げなご様子で、
小谷さんの大切なこどもたちをお預かりするのだな、という実感と緊張がひしひしとわいてきます。

「ああー、いいかたちだなあ」

「このつくりが、外村先生はすきだった」

「これは、今ではもうできん」


ガラスを眺めながら発される小谷さんの言葉が、倉敷ガラスの歴史そのものです。
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十年間作りためていらしたガラス玉を繋げたもの。
これも一同の間で大人気でした。


陽も傾きはじめたころ、ようやくすべての作業が終了しました。
おつかれさまでした、と一息ついているスタッフの前に、小谷さんがおもむろに取り出して見せてくださったものがあります。

「これがわたしの原点です」

小さな入れ子箱を空けてみるよう促され、ひとつひとつ蓋を開けていくと、
直径2cmほどの小さなクリーム色のガラス玉がありました。

倉敷ガラスを創業なさる以前、小谷さんが一日何千個と吹いていらしたというクリスマスツリーのガラス玉です。

倉敷ガラス誕生前夜の卵のように見えました。
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小谷さん、テーブルに向って何かを一心に描いておられます。

実は、今回の特別展のために久野さんは小谷さんにあるお願いをしていました。
そのリクエストに答えるべく急遽鉛筆をはしらせる小谷さん。

完成品は鳥取民藝美術館でお確かめください。
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それにしても、なんだかかっこいい小谷さんのお宅です。


「もう帰るの?」
といいたげなウイスキー。
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寂しそうに車に乗り込む一同を見つめています。

小谷さん、奥様、ウイスキーに見送られ車は工房を後にしました。

長時間に及んだ作業にさすがに疲労困憊の一同でしたが、それ以上に大きな収穫があった倉敷滞在でした。


小谷真三さん、奥様、愛犬ミスター・ウイスキー、
どうもありがとうございました!



その後は、
久野さんの案内で岡山県久世のカレー店「さん・はうす」さんで絶品カレーをいただき…
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鳥取へ帰り着いたのは午後九時ごろでした。
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夜桜ならぬ夜ハナミズキもなかなか綺麗だなあということに気づいたのでした。

翌日からは早速展示作業。

特別展「倉敷ガラス 小谷真三自選展」
開幕を6日後に控えた日のことでした。





'''''お問合せ先''''''
鳥取たくみ工芸店/鳥取民藝美術館
電話 0857-26-2367
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