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倉敷遠征編・小谷真三さんの工房を訪ねる(2)
2009年 05月 02日 |
倉敷遠征編(1)より続きます。

作業の合間、休憩をとらせていただき、小谷真三さんの工房を見学させていただきました。
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炉の足元に無造作に散らばっている深い青色や飴色のガラス塊。

まるで宝石の原石のような美しさです。

こういったものが高温の炉の中で赤く溶け、小谷さんの息を吹き込まれることによって倉敷ガラスが生まれます。
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燃え続けている炉。

写真中央左よりの丸い蓋をしてある隙間から、真っ赤な炎が垣間見えます。

一歩足を踏み入れただけで工房の中は大変暑く、ここでのたった一人のガラス製作がいかに過酷であるかを感じさせます。
火と縁深い工芸といえば陶磁器もそうですが、焼成のときだけ窯を焚く陶芸に対して、ガラスは作業中常に炉を焚きつづけているのですから、使用頻度は比ではありません。
当然火災を危惧します。

陶芸の窯元さんを訪ねても窯の前に必ずあるのが神棚ですが、小谷さんの工房にはこんな涼やかな神棚が鎮座していました。
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そして、なんといっても特徴的なのが、この神棚の上、少し高くなった工房の壁面に取り付けられているステンドグラスです。
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軽やかな円形のステンドグラスが配置され、中央に

「水」

の一字が抜き出され、そこから自然光が降り注いできます。

「水」の意味するところはもちろん上記のとおり。
なにか聖堂のなかにいるような荘厳な雰囲気さえ感じられます。

実は、今回の特別展のためにカメラマンの田中良子さんに撮りおろしていただいたDM用の写真は、小谷さんの工房内を撮影したものです。
ガラスの作品や作業道具が並ぶ壁
(よく「この壁面は撮影のためにセッティングしたんですか?」と質問されますが、一切演出なしです)
に、外から自然光が射していますが、よーくご覧になってください…

DMの画像はこちら

お気づきだったでしょうか?壁面に射している光が「水」を形作っているのです!
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炉の傍らの桶に張られた水面にもまさに「水」が映りこんでいました。

作業なさる工房まで美しいことに、一同驚き、ちょっとした撮影大会のようになっておりました…


さて、一息入れたところで作業再開です。
倉敷遠征編・小谷真三さんの工房を訪ねる(2)_f0197821_1314830.jpg
さっきまではしゃいでいたウイスキーはどうやらおねむのようですが、作業はここからが本番です。

倉敷遠征編(3)へつづきます。




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